<オープニング>


1936年スペイン。ファシスト・フランコの反乱に抗してスペイン人民は武装蜂起する。そしてPuebloの圧倒的な力によってファシストは粉砕される。同時にそれは無政府主義革命の勃発であった。
CNT(全国労働連合)-FAI(イベリア・アナキスト連盟)はコレクティブや民兵委員会を機軸にイニシアティブを掌握する。だがそれはナチス・ドイツ、イタリア・ファッショ、スターリニズム、ヨーロッパ諸国の不干渉政策という国際政治や国内党派抗争による圧殺の悲劇的序章でもあった。
インタビューとドキュメント映像で淡々と語られる歴史は、スペイン革命とは希望であったのかそれとも欺瞞そのものでしかなかったのかを私たちに問うだろう。あるいはまた、それぞれの闘いのあり方にこそ希望と欺瞞が再配分されねばならないことを示唆しているのかもしれない。

■7月21日(土) ■開場:12:30 上映開始:PM1:00 終了予定:PM6:30
スペイン革命ドキュメンタリー『希望と欺瞞の間に』 PM1:00〜
副題ESPNA 1931-1939が示す通り1931年の王政の崩壊から39年の内戦の終結へといたる全過程を、フランコ体制の解体後にCooperativo de Cinema Alternativoが約2年間の歳月を費やして当時のフィルム、写真、新聞記事、ポスター、統計図表などを広範に蒐集する一方、戦争と革命の最前線を担ったCNT、UGT、社会党、共産党、POUM、国際旅団などの老闘士へのインタビューをも加えた長編ドキュメンタリーである。77年秋のCNT代表の来日に際し、当時のスペイン現代史研究会を中心に『スペインの短い夏』と共に製作された日本語版は、内戦をめぐる通史としては絶好のテキストと目されて自主上映されつづけることととなり、いまあらたに蘇る。

『ティエンポ デ バルセロナ』 PM2:30〜
制作:Fujimoto
スペイン革命の舞台となったバルセロナ。そのバルセロナにおける抵抗ミュージック・シーンをコラージュして「いま」を表現する。
本企画のためにポエトリー・キッチンのFujimoto氏が挑戦する。


『DURRUTI』 PM3:30〜
パコ・リオス、アベル・パソ 製作:1998年 55分 ドイツ語版 
Fundacio'n Anselmo Lorenzo (FAL)によって制作された「スペイン革命におけるドゥルティ」と題されたこのDVDは、FAU(Freien Arbeiterinnen- und Arbeiter-Union=ドイツのアナルコ・サンディカ系組合)より先日のドイツ反G8アクションに参加した仲間を通じて持ち帰られたもの。
Anhand von Originaldokumenten zeichnet Regisseur Paco Rios das Leben des Metallarbeiters und Anarchisten Buenaventura Durruti nach.Es kommt nicht nur Durruti selbst zu Wort,sondern ebenso seine Lebensgefa"hrtin Emilienne Morin und zahlreiche andere Zeitgenossen. Kurzweilig komponiert,bietet der Film einen anregenden ersten Einblick in die revolutiona"ren Ereignisse vor 70 Jahren,in politische Ra"nke,die Zwa"nge des Krieges und Diskussionen in der Confederacio'n Nacional del Trabajo (CNT)und der Federacio'n Anarquista Ibe'rica (FAI).

お話し PM4:30〜
井上修さんプロフィール

1947年生 NDU日本ドキュメンタリストユニオンで「沖縄エロス外伝---モトシンカカランヌー」他4作に関わる。同解散後、竹中労氏と共に、沖縄島歌の音盤製作と公演活動。同氏のプロデュースで宗教者たちとのアジア巡礼の記録映画「アジア懺悔行」を監督。原住民の祖先の霊の啓示で30年の冬眠から覚め、『出草之歌』を撮影/編集。

参考上映『出草之歌』

1972年、宮古、八重山、西表、与那国そして国境を越えて台湾までを生活圏としていた人々を扱った「アジアはひとつ」という記録映画を一味同心で製作した。「反帝亡国 国境突破」というスローガンそして、「海ゆかば」をバックに台湾「高砂族」たちの「もう一度戦争がしたい」という言葉で終わる「バチ当り」なものだった。30年を経た2002年の夏、靖国神社で再び彼らに遭遇した。彼らはこともあろうにあの「神聖」な靖国神社の境内で自らの伝統的な歌と踊りで靖国神社に対する抗議活動を展開していたのだ。この「バチ当り」はきっと只者じゃないと直感した。そしてインターネットから決定的なフレーズを探し当てた。「首を刈る部族は歌がうまい」故小泉文夫氏の講演記録からだ。音楽ドキュメンタリービデオ「出草之歌 ── 台湾原住民の吶喊 背山一戦 」がスタートし再び訪れた台湾。かつての山地同胞、高砂族は、自ら誇りを持って「原住民」と呼ぶことに驚かされた。さらに中国系の人たちをなんと「漢族」と呼び、少数民族として極めて原則的な戦いを展開している、32年前の彼らの言葉「もう一度戦争がしたい」というのはこれなのだ── ドキュメンタリーは予見である ── と言ったのはルポライターの故竹中労だ。正にあの言葉は原住民たちの予見だったのに違いないと気づいた。文字を持たなかった故、生活そのものであるといえる歌と踊りを武器に、山を背にして一戦に挑む台湾原住民たち、次なる予見ははたしてなんなのだ。