日本映画とアナキズム


日本映画とアナキズムとは何か?
川島雄三、吉田喜重、鈴木清順、若松孝二、神代辰巳、曽根中生 といった作家のアナキズムをめぐる作品群をダイジェストで振り返りながら、 日本映画とアナキズムの関係を映画的、思想的に検証していきたい。(平沢剛)

■7月28日(土) ■開場:12:30 上映開始:PM1:00 終了予定:PM6:30
【第1部】 PM1:00〜
スペイン革命ドキュメンタリー
『スペインの短い夏』 PM1:00〜
原題を邦訳すれば「武装する人民」となるこの記録映像は、まさに内戦の真っ只中で撮影され、ひそかに国外に持ち出されて現像・編集されながら、フランコ体制下に長く陽の目を見なかった禁断のフイルム断片が75年にイタリアで発見されたのを機に、バルセロナ市街戦からアラゴン戦線へ、マドリッド防衛戦へと転戦していったドゥルティ旅団の戦闘を中心に、76年に復権したCNTが世界の同胞のために再編集した長編ドキュメンタリーである。77年秋にCNT代表が来日した折にもたらされた原版に基づき、当時のスペイン現代史研究会を中心に独自の立場で、邦題・音声・BGMを付して『希望と欺瞞の間に』とともに、日本語版が制作された。

【第2部】 PM2:15〜
「日本映画とアナキズム 映像ダイジェスト」+トーク
トーク:松田政男(映画評論家)×平沢剛(映画研究者)


【第3部】参考上映 PM4:30〜
「ルイズ・その絆は〜関東大震災60年目」
RKB 毎日放送 制作:上坪 隆 演出:須藤出穂 1982 年 56 分
博多人形絵付職人、伊藤ルイ(60歳)を主人公に、戦争の歴史とその苦難の中でも、ひたむきに生きた名もない人々の「その絆」を浮き彫りにするとともに、郷土の生んだ婦人解放運動の先駐者伊藤野枝の人間像に迫る。
伊藤野枝は福岡市の生まれ。彼女は関東大震災の混乱のさ中、大杉栄等とともに甘粕憲兵大尉によって絞殺された。 その遺児たちは野枝の故郷福岡で、彼女の母親によって育てられる。遺児の 1 人が伊藤ルイ。戦時中は「天皇に弓を引いた者の子」として 負目を味わされた。戦争の最初の犠牲者である。 そのルイの母親、野枝の生き方、そして大震災時の朝鮮人虐殺等を契機に、戦争への道を一路歩んだ日本の歴史。その中で苦しみつつも人間としての絆を大切にしながら生きてきた人々の歴史、生きざまなどをルイの姿を通して描く。
「驚きももの木20世紀/大杉栄と伊藤野枝」