ENTRE
LA ESPELANZA Y EL FRAUDE 1977 カラー92分 |
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副題ESPNA 1931-1939が示す通り1931年の王政の崩壊から39年の内戦の終結へといたる全過程を、フランコ体制の解体後にCooperativo
de Cinema Alternativoが約2年間の歳月を費やして当時のフィルム、写真、新聞記事、ポスター、統計図表などを広範に蒐集する一方、戦争と革命の最前線を担ったCNT、UGT、社会党、共産党、POUM、国際旅団などの老闘士へのインタビューをも加えた長編ドキュメンタリーである。77年秋のCNT代表の来日に際し、当時のスペイン現代史研究会を中心に『スペインの短い夏』と共に製作された日本語版は、内戦をめぐる通史としては絶好のテキストと目されて自主上映されつづけることととなり、いまあらたに蘇る。
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| 4部構成の章立てを以下列記するならば、[PART1]君主制の崩壊/4月14日/1931年当時の労働者階級/選挙・最初の政府/アサーニャ政府/1933年11月選挙/権力の座についた右翼/10月革命/人民戦線 [PART2]右翼の反乱/崩壊する政府/カタルニヤ・進行する革命/干渉と不干渉/共和国政府の再編/独裁者フランコ [PART3]マドリッド・武装する人民/国際的援助 [PART4]1937年5月・革命の消滅/ファランヘ・唯一の党/弾圧・ラルゴ・カバリェロ政府の退陣、ネグリン政府の変化/最初のフランコ政府/最後の戦い/戦争の終結--。見られる通り、1931〜39年のスペイン現代史の簡潔なスケッチになっているが、さらに随所に挿入される内戦当時の老戦士たちの所属と氏名をも掲げると、まず登場するのはPCE(スペイン共産党)のフェデリコ・メンコールで、つづくUGT(労働総同盟)のアルセニオ・ヒメノは同時にPSOE(スペイン社会主義労働者党)をも代表する。この両者は総体として「まず反ファシズム戦争を」と強調する側に立ち、CNT(全国労働者連合)のホアン・フェレール、POUM(マルクス主義統一労働者党)ホルティー・アンケールの「何よりも革命を」と主張する側と、1977年時点においても鋭く対立し合う。4人のなかではスターリニストによる徹底的な弾圧で政治の舞台から消えていたPOUM代表の出現が強烈な印象を遺し、マドリッド防衛戦で奮闘した国際旅団イギリス人部隊のアルチュール・ロンドンへのインタビューと共に、ともすれば陥りがちな教科書的なスタイルの行間から現代史の深層が露呈してスリリングだ。(松田政男) |
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